電気代の請求額を見て、時間帯を工夫すれば安くなるのでは、と考える方もいるでしょう。
しかし、時間帯別の料金プランは種類が多く、どの時間帯が本当に安いのか、自身の使い方にあっているのかといった疑問や不安を感じる方も少なくありません。
結論として、電気代が安い時間帯は深夜から早朝にかけてが一般的ですが、近年では昼間がお得になる新しい選択肢も登場しています。
本記事では、電気代が時間帯によって変わる基本的な仕組みから、自身の生活にあわせた最適なプランの選び方、具体的な節約術までをわかりやすく解説します。
電気代を節約するために料金プランを見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
電気代が安い時間帯は深夜から早朝が一般的

時間帯別の料金プランを検討中の方の多くは、電気代が安い時間帯として深夜から早朝をイメージするでしょう。
実際に、多くの電力会社が提供する時間帯別プランが、夜間の電気料金を割安に設定しています。
ここでは、まず基本的な知識として、なぜ時間帯によって料金が変わるのか、大手電力会社ではどのようなプランが提供されているのかを解説します。
なぜ時間帯によって電気料金が変わるのか?
時間帯によって電気料金が変わる主な理由は、1日の中で電気の需要量が変動するためです。
一般的に、工場やオフィスが稼働し家庭での活動も活発になる昼間は、電気の需要が増えて使用量が多くなります。
一方、人々が就寝している深夜から早朝にかけては、電気の需要が少なくなります。
電力会社は、発電設備を効率的に稼働させるため、需要が少ない夜間に電気の使用を促すことで、1日を通した電力需要の差を小さくしようとしています。
近年普及が進んだスマートメーターと呼ばれる通信機能を持つ電力メーターにより、30分ごとの電気使用量を正確に計測できるようになりました。
計測機能を活用し、電力の安定供給と効率的な設備運用のために、時間帯別の料金プランが設けられています。
参照元:電力需要の負荷平準化 – 電気事業連合会
大手電力会社の時間帯別プランと安い時間帯の例
現在、全国の大手電力会社は、夜間の電気代が安くなる時間帯別プランを提供しています。
これらのプランの多くはガス併用の家庭でも契約可能ですが、なかにはオール電化住宅専用のプランもあるため、事前に条件を確認しましょう。
また、会社やプランによって安い時間帯や高い時間帯が異なるため、注意が必要です。
以下の表から、自宅エリアの代表的なプランを確認してみましょう。
【大手電力会社10社の時間帯別プランと安い時間帯の例】
| 電力会社エリア | 代表的なプラン名 | 主な安い時間帯(夜間など) |
|---|---|---|
| 北海道電力 | eタイム3プラス | 22時〜翌朝8時 |
| 東北電力 | よりそう+ナイト&ホリデー | 22時〜翌朝8時 |
| 東京電力 | スマートライフS | 午前1時〜午前6時 |
| 中部電力 | スマートライフプラン | 22時〜翌朝8時 23時~翌朝9時 21時~翌朝7時 (上記3つの時間帯から選択可能) |
| 北陸電力 | くつろぎナイト12 | 20時〜翌朝8時 |
| 関西電力 | はぴeタイムR | 23時〜翌朝7時 |
| 中国電力 | ナイトホリデーコース | 平日21時〜翌朝9時 |
| 四国電力 | でんかeプラン | 23時〜翌朝9時 |
| 九州電力 | 電化でナイト・セレクト | 21時~翌朝7時 22時~翌朝8時 23時~翌朝9時 (上記3パターンから選択可能) |
| 沖縄電力 | Eeホームホリデー | 23時〜翌朝7時(平日) |
※参照元:よりそう+ナイト&ホリデー – 東北電力
※参照元:スマートライフS – 東京電力
※参照元:スマートライフプラン – 中部電力
※参照元:くつろぎナイト12 – 北陸電力
※参照元:はぴeタイムR – 関西電力
※参照元:ナイトホリデーコース – 中国電力
※参照元:でんかeプラン – 四国電力
※参照元:電化でナイト・セレクト – 九州電力
※参照元:Eeホームホリデー – 沖縄電力
これらのプランは、主に夜間の時間帯が割安な代わりに、日中の電気料金は標準的なプランより割高に設定されていることが一般的です。
しかし、電気の使い方次第で大幅な節約が期待できます。
【新常識】太陽光発電の普及でこれからは昼間の電気代が安くなる

これまで常識とされてきた「電気代は深夜が安い」という考え方は、近年変わりつつあります。
背景として、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及が大きく関係している点が特徴です。
ここでは、なぜ昼間の電気代が安くなるのか、そして昼間の割安な料金を可能にする新しい料金プランについて詳しく解説します。
なぜ昼間の電気代が安くなるのか?
昼間の電気代が安くなる主な理由は、太陽光発電の発電量が昼間に集中するためです。
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、主に日中の時間帯に多くの電力を生み出します。
とくに、日本全国で太陽光発電の導入が進んだ結果、天気のよい日には電力の供給量が需要量を上回るケースが増えてきました。
電気が余った状態になると、発電事業者などが電気を売買するJEPX(日本卸電力取引所)での取引価格が大きく下がる現象が起こります。
これにより、従来は電気代が高いとされていた昼間の時間帯に、反対に電気代が安くなる可能性があります。
昼間に電気代が安くなる市場連動型プランとは何か?
市場連動型プランとは、卸電力市場の価格変動にあわせて30分ごとに電気の単価が変わる料金プランのことです。
従来の一般的なプランが、固定の単価で計算されるのに対し、市場連動型プランの単価は常に変動します。
そのため、卸電力市場の価格が安い時間帯に電気を使用すれば、電気代を大幅に抑えられる可能性があります。
自身のライフスタイルにあうのはどのプラン?世帯別おすすめ電力プランの選び方

電気代の安い時間帯は、すべての家庭で同じわけではありません。
自身のライフスタイルを正しく把握し、適切な料金プランを選ぶことが、賢く電気代を節約するための最も重要なポイントです。
ここでは、主な3つの世帯タイプ別に、どのような電力プランが向いているのかを解説するため、自身の生活に当てはめてみてください。
在宅ワーカーなど日中の電気使用量が多い世帯
テレワークの普及により、日中も自宅で過ごす時間が増えた方も多いでしょう。
このようなライフスタイルでは、昼間のパソコン使用や冷暖房の稼働により、日中の電気使用量が多くなる傾向があります。
昼間の電気代が割高な従来の時間帯別プランを選んでしまうと、かえって電気代が高騰するリスクがあるでしょう。
そのため、電気の使い方次第で昼間の電気代を安くできる可能性がある「市場連動型プラン」が向いています。
共働きなど日中は不在がちな世帯
平日の昼間は仕事などで外出しており、日中は不在になることが多い家庭もあるでしょう。
このようなライフスタイルでは、電気の使用が主に朝晩や休日に集中します。
そのため、従来の大手電力会社が提供する夜間割引プランの恩恵を受けやすいといえるでしょう。
ただし、休日の昼間に掃除や洗濯などの家事をまとめておこなう際には、電気代が割高になる可能性がある点には注意が必要です。
時間帯を気にせずお得に電気を使いたい世帯
小さな子どもがいて日中も家を空けられない、または家族の生活リズムが不規則で、特定の時間帯を意識して電気を使用するのが難しい家庭も少なくありません。
このような場合、特定の時間帯が割高になるプランは、かえってストレスの原因になる可能性があります。
そこで検討したいのが、いつ電気を使用しても大手電力会社より料金が安く設定されている新電力です。
基本料金や電力量料金が、従来のプランに比べて安く設定されているプランを選ぶと、節約できる可能性が高くなるでしょう。
今日からできる電気代節約術

料金プランの見直しとあわせて、日々の電気の使い方を少し工夫することで、電気代はさらに削減できる可能性があります。
とくに、消費電力の大きい機器の特性を理解して、効率的に使用することが重要です。
ここでは、すぐに実践できる節約術を紹介します。
消費電力の大きい家電を使うタイミングを意識する
家庭の中でとくに消費電力が大きいのは、エアコン、電子レンジ、食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機、ドライヤーなどです。
これらの家電は、時間帯別プランを契約している場合、安い時間帯にまとめて使用するのが節約の基本となります。
たとえば、食洗機や洗濯乾燥機はタイマー機能を活用し、夜間や昼間などの安い時間帯に稼働させると効果的です。
【オール電化の家庭向け】エコキュートの沸き上げ時間を最適化する
オール電化の家庭において、電気消費量が最も大きい機器の一つが、お湯を沸かす給湯器のエコキュートです。
エコキュートは、主に電気代が安い深夜電力を使用して夜間にお湯を沸かし、タンクに貯めておく仕組みです。
そのため、基本的には夜間にお湯を沸かす設定にしておくことが節約の基本となります。
昼間にお湯が足りなくなって沸き増しをすると、割高な電気代がかかるため注意しましょう。
ただし、市場連動型プランを契約している場合は、電力単価が安くなった昼間に沸き増しをするといった柔軟な使い方も有効です。
時間帯別プランを選ぶ前に知っておきたい注意点

電気代が安くなる時間帯をうまく活用すれば、光熱費を大きく削減できる可能性があります。
しかし、料金プランを選ぶ際には、メリットだけでなく注意点も理解しておくことが大切です。
ここでは、とくに知っておきたい2つのポイントを解説します。
昼間の電気代が割高になるリスク
多くの時間帯別プランは、夜間の電気代が安い分、昼間の電気料金単価が標準的なプランよりも高く設定されています。
そのため、自身のライフスタイルにプランがあっていないと、節約のつもりがかえって電気代を高くしてしまう可能性があります。
プランを契約する際は、現在の生活だけでなく、将来的な変化も見据えて検討することが重要です。
市場連動型プランは市場価格高騰のリスクがある
昼間の電気代が安くなる可能性がある市場連動型プランは魅力的ですが、特有のリスクも存在します。
電気代を算出する元となる市場価格は、国際情勢の変動による燃料価格の高騰や、国内の電力需給が逼迫した場合などに高騰する可能性があります。
市場価格が高騰すると、家庭の電気代も連動して大幅に高くなるリスクがあることを理解しておきましょう。
電気代の時間帯と電力会社の切り替えに関するQ&A

最後に、電力会社の切り替えに関して、多くの方が抱く疑問に詳しく回答します。
電力会社の切り替え手続きは簡単か?
電力会社の切り替え手続きは非常に簡単です。
基本的には、新しく契約したい電力会社のWebサイトや電話から申し込むだけで手続きが完了します。
申し込み後、スマートメーターへの交換工事が必要な場合もありますが、原則として工事の立ち会いや費用負担はありません。
また、現在契約している電力会社への解約連絡も、新しい電力会社が代行してくれるため不要です。
新電力にすると電気の品質が落ちたり停電しやすくなったりしないか?
契約する電力会社を新電力に切り替えても、電気の品質が落ちたり、停電しやすくなったりすることはありません。
どの電力会社と契約しても、家庭に電気を届けるための送配電網は、これまでと同じく地域の大手電力会社のものを利用します。
万が一、契約した新電力が倒産するようなことがあってもすぐに電気が止まることはなく、安心して利用できます。
まとめ:これからの電気代節約は「市場電力」で昼間の電気を上手に活用

時間帯別の料金プランを選ぶ際に最も重要なポイントは、深夜が安いという固定観念に縛られず、自身のライフスタイルを正しく把握して安くなりやすい時間帯を把握することです。
太陽光発電が普及している現代では、とくに日中の電気使用量が多い家庭におすすめな「市場連動型プラン」があります。
市場連動型プランを提供する電力会社の中でも、とくに「市場電力」は電源料金の最安値が0.01円/kWhになることもあり、在宅ワークなどで電気代が気になる方にとって、最適なプランとなる可能性があります。
電気料金プランは複雑ですが、本記事を参考にして自身にあった電力会社を見つけてみてください。
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